アコーディオン · 6 分で読めます
アコーディオンのレジスターのしくみ
バスーン、クラリネット、マスター、ミュゼット。レジスタースイッチがリードに何をしているのか、丸い図の点が何を意味するのか、そして曲に合うレジスターの選び方を解説します。
レジスターとは実際のところ何か
アコーディオンの中では、リードがセットごとにまとめられています。1セットとは、ある音高で鍵盤全体をカバーする一揃いのリードのことです。右手が4セットの典型的な楽器なら、記譜より1オクターヴ低いセットが1つ、記譜どおりのセットが2つ、1オクターヴ高いセットが1つ入っています。
各セットの裏にはスライダーがあります。穴の開いた木や金属の板で、そのセットの気室への開口をふさいだり開けたりできます。レジスタースイッチは、このスライダーを動かします。スイッチを押しても、音そのものも、運指も、根本的な意味での音量も変わりません。変えているのは、空気がどのリードセットに届いてよいか、という選択です。
これはパイプオルガンからそのまま借りてきたしくみで、用語も同じです。16フィートは記譜より1オクターヴ低く、8フィートは記譜どおり、4フィートは1オクターヴ高い音高を指します。この数字はオルガンのパイプに必要な長さのことで、リードには何の意味もありませんが、呼び名だけが残りました。
丸い図の読み方
レジスタースイッチにはたいてい、横三段に分かれた小さな円が描かれ、その中に点が入っています。上の段が4フィートのセット、真ん中の段が8フィートのセット、下の段が16フィートです。点があれば、そのセットが鳴っています。
ですから真ん中に点が一つなら、8フィートのセットが単独で鳴る状態、たいていクラリネットと呼ばれる澄んだ音です。下に点が一つなら16フィートだけ、バスーンと呼ばれる暗く低いレジスターです。真ん中の段に点が二つ横に並んでいれば8フィートの両セット、つまりウェットな、ミュゼットの音になります。三段すべてに点があるのがフルの音で、マスターと呼ばれます。いちばん大きな音が出るにもかかわらず、多くの楽器でいちばん使いどころのない設定です。
この図が読めるようになれば、メーカーごとの呼び名を知らなくても、どのアコーディオンのスイッチも読めます。呼び名はまちまちで、標準化されていないからです。
よく使うレジスターと、その用途
バスーン、16フィート単独は、温かく丸い音で、歌い手や旋律楽器の下に収まります。伴奏のため、ベースラインのため、そして声と張り合ってはいけないあらゆる場面のためのレジスターです。
クラリネット、8フィートを1セットだけ鳴らす設定は、この楽器がもつもっとも素朴で正直な音です。対位法に、バッハに、内声を分けて聞かせたいあらゆる場面にほしい音です。初心者は単独では痩せて聞こえるので避けがちですが、数年たつと、いちばん使うのはこのレジスターだと気づきます。
ミュゼットは、わざとずらして調律した8フィートを2セットか3セット組み合わせたものです。互いのうなりが、パリの街角といえば誰もが思い浮かべるあのゆらめきを生みます。フランスの楽器では3セットを使い、外側の2つを真ん中に対して高めと低めにずらすことがよくあります。似合う場所では素晴らしく、多声では悲惨です。うなりのたびに声部がにじんで溶け合ってしまいます。
ピッコロ、4フィート単独は、明るく鋭い音で、短い色替えや、旋律を1オクターヴ上で重ねるのに使えます。これを長く求める音楽は、ほとんどありません。
カソット、あごスイッチ、そして左手
上位の楽器では、一部のリードセットが cassotto、つまり本体に組み込まれたトーンチャンバーに向かって鳴ります。音はグリルに届く前にそこで和らぎ、暗くなります。典型的なカソット機では、16フィートと8フィートのうち1セットがチャンバーの中、残りが外側にあります。つまり、音高の上では同じはずの8フィート2セットが、音色ではかなり違うということです。コンサート用の楽器で、図の上では同じはずのスイッチが片方だけはっきり丸く聞こえるのは、このためです。
多くの楽器には、右手側の上面に沿ってあごスイッチも付いています。あごで操作して、鍵盤から手を離さずにレジスターを変えられます。一週間ほどはばかばかしく感じて、そのあとは手放せなくなります。
左手にも独自のレジスターがあります。数は少ないのが普通で、たいていはベースの厚い音と、軽い伴奏のための薄い音との切り替えです。試してみる価値はあります。たいていの奏者は、楽器を買って何年もたってから、偶然ベースのスイッチを見つけています。
どれを選ぶか、いつ変えるか
実用的な原則は、音量ではなく音楽上の役割でレジスターを選ぶことです。その箇所が何をしているのかを考えてください。アンサンブルの上で旋律を運ぶなら、4フィートの入ったもの。歌い手を支えるなら、バスーンか8フィート1セット。独立した三声を弾くなら、ほぼ必ず1セットだけです。
レジスターの変更は楽譜に書き込み、その持ち替えそのものを練習してください。フレーズの途中で不器用にスイッチを押すと、カチッという音と一瞬の切れ目が聞こえてしまいます。うまい奏者はフレーズの切れ目や休符で変えるので、変えたこと自体に気づかなくなります。A&G Academy の無料楽譜ライブラリーでは、かなりの数の編曲にレジストレーションの案を添えてあります。自分の考えができるまでの出発点としては、悪くないはずです。
よくある質問
アコーディオンの鍵盤の上にあるボタンは何ですか?
レジスタースイッチです。中のリードの気室にふたをかぶせて、リードセットをまるごと鳴らしたり止めたりします。変わるのは音色であって、押さえた音の高さではありません。バスーン、クラリネット、ミュゼット、マスターといった呼び名は、低・中・高のどのセットが鳴っているかの組み合わせを表しています。
アコーディオンのミュゼット調律とは何ですか?
ミュゼットとは、名目上は同じ高さの8フィートのリードセットを2つか3つ、わざとわずかにずらして調律することです。このわずかな差が音同士のうなりを生み、フランスやイタリアの大衆的なアコーディオンらしい、ゆらめく響きになります。ずれが大きいほど効果は強くなります。バヤンやコンサート用の楽器は、これをかけないドライな調律です。
クラシック音楽にはどのレジスターを使えばいいですか?
たいていは8フィート1セット、クラリネットと書かれていることが多いレジスターです。ずらして調律されたミュゼットのセットは、独立した声部をにじませて溶かしてしまうからです。暗い色がほしいときは16フィート1セットがよく働きます。カソット機なら、トーンチャンバーの中にある8フィートのセットが、対位法にはおおむね最良の選択です。
シンガポールで習いたい、買いたい方へ。
A&G Academy はアコーディオン、バヤン、コントラバスを教え、自分たちがレッスンで使っている楽器を販売しています。何でも聞いてください——合わない楽器を売るくらいなら、やめておきましょうとお伝えします。