アコーディオン · 6 分で読めます
ストラデラ・ベース・システムのしくみ
アコーディオンの左手は、五度圏に沿って並ぶ6列のボタンです。カウンターベース、基本ベース、長三和音、短三和音、セブンス、減七。ストラデラ配列がどう動くのか、どこからフリーベースの領分になるのかを解説します。
配列のしくみを一段落で
120ベースのアコーディオンの左手側を見ると、20個ずつのボタンが斜めに6列並んでいます。蛇腹に近い列から外側へ、カウンターベース、基本ベース、長三和音、短三和音、属七の和音、減七の和音の順です。
どの列でも、隣り合うボタンは5度ずつ進みます。Cを見つければ、そのひとつ下がG、さらに下がD、というように円をたどっていきます。反対方向へ行けばF、B♭、E♭です。つまりこのシステムは、五度圏をそのまま指の下に並べたものです。同じ伴奏の形がどの調でも通用するのはそのためで、斜めの列に沿ってずらすだけで済みます。
カウンターベース列は、基本ベースの長3度上にあります。ベース列のCに中指を置いているなら、斜め上のカウンターベース列のボタンがEです。ポジションを崩さずに3度で歩くベースラインを弾けるのは、この配置のおかげです。
和音がプリセットである理由と、その代償
和音ボタンをひとつ押すと、複数の弁が同時に開き、3つか4つのリードが鳴ります。構成音も転回形も、演奏者が選ぶことはできません。ヴォイシングは楽器の側が決めていて、たいていはベース音域の中央寄りにまとまっています。低すぎて濁ることも、高すぎて痩せることもないようにするためです。
初心者にとっても、踊りの音楽にとっても、この利点は絶大です。指一本で、音程の整った和音が、ちょうどよい音域で、すぐに鳴ります。アコーディオン奏者はひとりで伴奏をすべてまかなえます。この楽器が世界中へ広がった歴史的な理由は、そこにあります。
代償は、特定のヴォイシングがほしくなった瞬間に現れます。第一転回形は弾けません。5度を省くこともできません。任意のオクターヴに音を置くことも、独立したベースラインを書くこともできません。減七の列は文字どおり減七ですし、セブンスの列はたいてい5度を省いています。鳴っている音を分析してみて、そこで驚く人は少なくありません。
もうひとつ知っておきたいのは、ベースのリードはたいてい複数のオクターヴで同時に鳴るということです。左手は楽譜の見た目より厚く響きます。
見ないで位置をつかむ
左手は見ません。ボタンの面は横を向いていて、頭がそこまで届かないからです。位置の把握は完全に触覚頼みですが、楽器のほうにも手がかりがあります。目印となるボタンには、くぼみ、ざらついた表面、小さな刻みなどが付けてあり、多くの場合はCとE、ときにA♭です。
ですから練習の原則は、最初の週から配置を手の感覚で覚えることです。目印のボタンを探し、指で外側へ列を数え、定番の形を体に覚えさせます。ワルツやポルカのベースと和音の交替、ツー・ファイブ・ワン、カウンターベース列を使った3度のウォーキングベース——どれもひとつの手の形で、それが円に沿ってそのまま移動していくだけです。
最初の半年でこれをきちんと身につけた生徒は、左手のことを考えなくなります。一年のあいだ左手をのぞき込み続けた生徒には、あとから直すのが厄介な癖が残ります。
サイズと、実際に必要な数
120ベースは、20個かける6列です。小さい楽器で減るのは1列あたりのボタン数で、列の数ではありません。96ベースは16個かける6列、72ベースは12個かける6列、48ベースは8個かける6列です。ボタンが減るというのは、五度圏の両端にある遠い調が落ちるということで、グレード5より下のレパートリーならまず困りません。
正直に言えば、決め手は重さです。72ベースは120ベースよりはるかに軽く、初心者が最初の2、3年でボタンを使い切ることはありません。数字の見栄えではなく、自分が弾く音楽に必要な範囲で選んでください。
フリーベースとコンバーター
フリーベースでは、プリセットの和音がなくなります。左手のボタンは単音の半音階鍵盤になり、右手のボタン式とよく似た短3度ずつの列に並び、4〜5オクターヴをカバーします。すべての音を自分で選べるので、フーガの主題を弾くことも、和音を好きなヴォイシングで鳴らすことも、本当に独立したベースラインを走らせることもできます。
コンサート用の楽器はたいていコンバーターです。レバーひとつで、同じボタンがストラデラとフリーベースに切り替わります。曲の途中で切り替えることもあります。フリーベース専用の楽器もありますが、実用性では劣ります。コンバーターは、ベース機構がふたつの仕事をこなさなければならないぶん値段がかなり上がり、同じ理由で重くもなります。
うまくいく順番は、まずストラデラを数年、レパートリーが求めてきた時点でフリーベースへ、という流れです。どちらの楽器を買うか迷っているなら、お金を出す前にシンガポールの A&G Academy で両方に触ってみてください。弾き心地の違いばかりは、読んで分かるものではありません。
よくある質問
ストラデラ・ベース・システムはどういうしくみですか?
左手側に6列のボタンが斜めに並んでいます。2列は単音で、基本ベースと、その長3度上のカウンターベースです。残る4列は長三和音、短三和音、セブンス、減七のプリセット和音です。どの列でも隣り合うボタンは5度ずつ進むので、配列全体が五度圏に従っています。
ストラデラとフリーベースは何が違いますか?
ストラデラはプリセットの和音です。ボタンひとつで長三和音・短三和音・セブンス・減七がそろって鳴りますが、ヴォイシングは固定されていて変えられません。フリーベースはその列を4〜5オクターヴの半音階の単音に置き換えるので、すべての音を自分で選べます。フーガやコンサート用レパートリーの大半には、フリーベースが必要です。
初心者用アコーディオンにベースボタンはいくつ必要ですか?
最初の数年なら72ベースで十分ですし、子どもや、とにかく軽い楽器がほしい場合は48ベースでもやっていけます。どのサイズも6列という構成と運指の形は同じで、小さいモデルでは五度圏の両端にある遠い調が省かれるだけです。ボタンの数より重さのほうが大切です。
シンガポールで習いたい、買いたい方へ。
A&G Academy はアコーディオン、バヤン、コントラバスを教え、自分たちがレッスンで使っている楽器を販売しています。何でも聞いてください——合わない楽器を売るくらいなら、やめておきましょうとお伝えします。